北陸のローカル鉄道の現況    2010/01/26 更新
H.Suwaが独断と偏見で記載しています。
JR西日本城端線

城端駅を発車した高岡行き

平日の城端駅パーク&ライド駐車場

城端線と東海北陸自動車道 越中山田駅付近

 城端線は一般の利用客が非常に少ない。沿線の散居村地区では家族の数以上に車がある状況では、現状(1時間に1本
の運行)のままでは乗客が増える見込みは全く無い。城端、福光、福野駅の大駐輪場が示すように、砺波、高岡の高校へ
の通学輸送のみという状況である。貨物輸送の少ない城端線は全線廃止か。
 新高岡駅は富山空港のような無料大駐車場を確保しない限り、利用客を確保するのは難しい、現在の列車本数では北陸
新幹線の乗り継ぎに城端線は利用される見込みはほとんど無い。また新高岡駅に
すべての列車が停車しなければ、氷見・
射水方面、南砺方面、現駅北側の高岡市民も北陸本線、高速道路(高速バスも含む)で直接富山駅へ行く事になり新高岡駅
そのものが利用されなくなる。

 高速道路1000円や、無料化で山陽新幹線や在来線特急の乗客が減少し、JR西日本の経営を悪化させ、年間数億円
の赤字を出す城端線を維持することは考えにくい。

JR西日本氷見線

休日の氷見駅は観光客の姿が見られる

雨晴駅付近からの立山連峰

高岡市吉久のJR貨物高岡貨物駅

 行商の魚売りや、大勢の海水浴客を運んだ氷見線も終焉の時が近づいているのか。氷見からは海老坂越えの国道160
号線と海岸廻り国道415号線の2本の幹線道路が高岡市に通じている。ここにきて能越自動車道が開通して乗客は減る
一方である。そうなれば貨物輸送のない伏木−氷見間は廃止か。日中の氷見駅の乗降客は越ノ潟とたいして変わらない。
 日中の公共交通利用は乗り換えなしで高岡へ行ける、石川県境付近から走ってくる加越能鉄道の路線バス利用に移って
いる。加越能バスの料金値下げで高岡駅−氷見駅間はバスの方が安くなった。鉄道の廃止は認可制から届出制になった今
JRでの存続は不可能。廃止する場合は越中中川まではJR北陸本線を引き継ぐ第3セクター会社が運行する。通学時間
帯の城端線列車はすべて越中中川まで運行する。高岡市吉久にJR貨物高岡貨物駅があるので高岡−能町間は廃止後も線
路は残る。
 高速道路1000円や、無料化で山陽新幹線や在来線特急の乗客が減少し、JR西日本の経営を悪化させ、年間数億円
の赤字を出す氷見線を維持することは考えにくい。

富山ライトレール富山港線

岩瀬浜カナル会館前を走る602号

岩瀬の観光基地カナル会館

富山駅北へ到着する603号

 日本初の本格的LRTとして運行を開始。全車両をLRV(超低床車)で運行するのも初めて。全線富山市内を走ってい
るため潜在需要があり、岩瀬地区の観光利用も期待できる。1車輌当りの定員が少なく通学輸送が問題。また、全車両L
RVのため冬季の積雪が心配されているが暖冬のため、まだ未経験。開業後の輸送人員はJR富山港線を上回り順調に伸
びている。ただ1年間限定の運賃半額が無くなり休日の一般利用者は減少した。輸送人員は現在も当初予想より大幅増で
推移している。富山市は環状線の開業、富山港線と市内軌道線の接続、地鉄上滝線のLRT化など、LRTを都市機能の
一部として取り入れ高齢化社会に対応する。

JR西日本高山本線

社会実験で造られた婦中鵜坂駅

社会実験のパーク&ライド駐車場

八尾駅前と町内各地を結ぶフィーダーバス

 この路線は1年に3日間、大都市のラッシュ時並に混む時がある。それはおわら風の盆で4両編成でも満員であり高山
線の重要な収入源となっている。また、速星、八尾地区は富山市のベッドタウンとして発展しており平成の大合併でJR
西日本区間全てが富山市となり、富山市よって増発社会実験も行われ、2008年3月に新駅の婦中鵜坂駅が開業した。
富山−越中八尾間が30分間隔になり、乗客も増え、富山県内の鉄道が軒並み輸送人員を減らす中、高山線のみが唯一増
加に転じた。(富山ライトレール、万葉線は微減)

 何も手を打たなければ利用客はどんど減り続け、有効な対策をすれば利用客が増える事を社会実験は証明した。

富山地方鉄道本線

電鉄富山駅を発車した特急宇奈月温泉行き

列車本数が多い常願寺川橋梁付近

大原台自然公園から宇奈月温泉街

 電鉄富山−滑川間では通勤・通学輸送に重要な役割を果たしており、北陸本線が第三セクター化された場合でもこの区
間は存続する。沿線の各自治体ではパークアンドライドの駐車場を作り電車の乗客と住民の獲得に力を入れている。北陸
新幹線の長野−金沢間のフル規格での整備が決まり黒部・魚津地区では新幹線連絡鉄道の役割を担う。
 ここも新高岡駅同様パークアンドライド大駐車場が整備されるので状況は厳しい。宇奈月温泉の送迎バスや黒部峡谷鉄
道のシャトルバスが新黒部駅へ乗り入れれば宇奈月温泉−新黒部間の存続はむずかしい。特に黒部峡谷鉄道のシャトルバ
スは通過型観光になり温泉街の衰退をももたらす。富山地方鉄道の一番の問題点はあまりにも運賃が高いことで、第3セ
クター化して運賃を下げない限り利用は増えない。
 黒部峡谷鉄道の新黒部駅乗り入れという計画もあるらしいが、地鉄本線の新黒部−宇奈月間を廃止するか、3線軌道に
すれば実現可能。地元には不利益のみでJRと関西電力だけが潤うだけ。

富山地方鉄道立山線

千垣橋梁を渡る宇奈月温泉行き特急

多段の滝では落差日本一の称名滝

アルペンルート室堂のみくりが池

 この路線は立山黒部アルペンルートへの観光客輸送と立山町の通学輸送が主である。観光輸送を主としているのにメイ
ンルートの電鉄富山−立山間の特急は1本(短期間立山行きのみ)しかなく鉄道利用を不便なものにしている。
 電鉄富山−立山間のノンストップ特急を運転し、大都市での営業活動に力を入れ観光輸送に特化して存続を図るべきで
ある。ノンストップ特急は運転停車を無くし(正常時ダイヤでは必ず普通列車が先着して待つ)寺田も通過する。
常願寺川
沿いでは岩峅寺−立山間でトロッコ列車も運行する。
  首都圏や関西圏では公共交通の便利さからマイカーを持たない人も多くやり方次第では鉄道利用の登山客確保も可能。

富山地方鉄道上滝線

小杉駅を発車した電鉄富山行き

月岡で行き違いする10030形

岩峅寺駅発車時乗客は少ない

 
平成の大合併で終点の岩峅寺以外は全て富山市内を走っており、住宅地の進展に伴い運行形態も変更すべきか。日中の
岩峅寺口での輸送人員は極端に少なく2、3人で0人の場合もある。こんな状態で発車した列車も上滝駅から乗客が増え
始め、下校の通学時間帯なら小杉駅から女子高生が多く乗り込み車内は一気に賑やかになる。富山南高校は共学校だが、
男子生徒は自転車通学が多い。
 通勤通学輸送は南富山で市電に乗り換えるパターンが多く、南富山−布市間の乗客が多くなっている。また、利用客の
ほとんどが通勤通学の定期利用客である。2008年4月1日から富山市民で65才以上の人は往復400円で電鉄富山
駅へ行けるようになった。(立山線の富山市内駅含む)この制度は福祉目的よりも中心市街地活性化を目的としているため
降車駅が電鉄富山駅のみなど制約条件が多い。地鉄を頻繁に利用する高齢者は地鉄が63才以上に発行するゴールドパス
が便利、年間定期だと1日あたり156円となる。

富山地方鉄道市内軌道線

丸内電停を発車した8003南富山駅前行き

グランドプラザ前を発車した環状線9003

西町電停に停車中の7014

 富山市内軌道は不採算路線の廃止が行われ、優良路線のみが生き残っているが、日中は輸送のほとんどが西町−富山駅
前間に集中しているが均一料金のため赤字とはなっていない。南富山付近と大学前付近に高校があり、通学輸送でも重要
な役割を果たしている。5〜10分間隔で走る路面電車は富山市内での移動を便利なものにしている。路面電車が廃止さ
れた金沢市ではどのバスに乗ったら目的地へ行けるのか判りづらい。また市外からの観光客はどのバスに乗ったら目的の
観光地へ行けるか判らないので、行き先が観光地に限定されるキャパの小さい金沢周遊バスはいつも満員。
 2009年12月23日に環状線が開業したが、今のところ富山駅前−西町間の乗客を奪っただけで、新たな需要の掘
り起こしには至っていない。(珍しさや、子供や孫を乗せて何周かする遊園地代わりの需要がある。)

万葉線竃恬t線

広小路で行き違うアイトラム

高岡駅前電停に停車中の7073越ノ潟行き

越ノ潟駅に停車中の1005高岡駅前行き

 2002年4月1日から全国初の第3セクター路面電車として新会社による運行が開始された。車両や駅は明るくなっ
たが、少子化の影響から利用者が増える見込みはない。収支を問題にすれば存続はむずかしい。高岡、射水両市のコミュ
ニティーバスと万葉線を活用した公共交通網整備で潜在需要を開拓できるか、年間定期券や学期定期券の発行で通学利用
客を増やしたが、更なる自転車通学者を万葉線利用に転向させられるか。第3セクター化後は自治体の支援や、イベント
輸送などで利用客は微増を続けていたが2007年からは微減に転じた。

JR西日本七尾線

金丸駅で行き違い町の金沢行き

能登二宮駅のパーク&ライド駐車場

スルー側を通過する特急「はくたか」

 和倉温泉まで電化されたが、七尾−金沢間に1時間20〜30分を要している。交換駅での待ち時間が多くもっとスピ
ードアップすべきである。北陸鉄道の特急バスは1時間20分で走っている。料金はバス1310円、電車1280円で
JRの方が僅かに安い。七尾口の各駅にはパーク&ライドの駐車場が自治体の手で整備されている。電化を機に線形が改
良され、交換可能駅は1線スルーとなり特急は七尾−金沢間を1時間以内で走っている。
 北陸新幹線金沢開業後、第3セクター化が内定しているのか、最近発表されたJR西日本のローカル線単色化で、七尾
線は北陸地区とは別の色となっている。

北陸鉄道浅野川線

大野川橋梁を渡る8900系内灘行き

地下にある北鉄金沢駅 前はイベント広場

百万石まつり当日の割出駅

 
内灘地区は金沢市のベッドタウンとして発展が目覚しく、金沢口の車の渋滞から利用者が増え始めている。北鉄金沢駅
の地下駅が完成し更に都会的な電車になり、利用客も増加が期待される。利用客のほとんどが終点内灘までの直通客であ
り、2000年3月のダイヤ改正では急行が増便されたが、2006年のダイヤ改正では急行を運行しても時間短縮には
ならない為、通過駅での乗車機会を増やすため、すべて各駅停車となった。
 この路線は1年に一度大混雑する時がある。それは加賀百万石まつりが開催される日で、北鉄金沢駅到着時には身動き
がとれないくらいの超満員となる。混雑する時間帯は車掌が乗務し、通常は折り返して内灘に向かうが車内温度が上がる
ため、到着車両は使わず、反対側ホームで待機している冷やした車両を使用する。この日はマイカーで出掛けても駐車す
る場所が無く、バスは渋滞に巻き込まれる。電車が一番!。2010年は6月5日(土)開催。

北陸鉄道石川線

四十万駅を発車した野町行き

鶴来駅出発車待ちの7700系野町行き

7700系乗車のアテンダント

 
JR金沢駅と繋がっていないこともあって日中は閑散としている。電車は全て2連であるが、ワンマン運転のため乗客
が乗っているのは先頭車両だけである。北陸鉄道では日中空の2両目を利用して自転車を電車に持ち込めるサイクルトレ
インを実施している。持ち込めるのは高校の夏休み期間中と日曜、祝日となっている。地下鉄で浅野川線と繋がり、JR
金沢駅乗り入れが実現すれば乗客の大幅な増加が見込める。2006年のダイヤ改正では準急を運行しても時間短縮には
ならない為、通過駅での乗車機会を増やすため、すべて各駅停車となった。
 2008年11月に鶴来−加賀一宮行間の末端区間が廃止され、残った区間も減便となった。廃止理由は設備の老朽化
に対応できないということで野町−鶴来間も同様。
 2009年8月1日から3年間石川線にアテンダントが乗務する。乗務するのは9時台から15時台に運行する12本
で、白山市が国の緊急雇用対策事業を活用して5人を雇用し北陸鉄道の臨時職員として列車内で高齢者や障害者の手助け
をしたり、乗車券の発券や沿線の観光やイベントの案内などを行っている。

のと鉄道

桜開花時期の能登鹿島駅と211穴水行き

211穴水行き車内

穴水駅を発車した201+212七尾行き

 2001年3月に穴水−輪島間が廃止されたが、穴水−蛸島間も2005年3月をもって廃線となった。穴水−七尾間
は、七尾、七尾商業、七尾城北、鴨学園、田鶴浜、中島、穴水の各高校への通学需要があり、氷見線などと状況は同じで
当分は存続する。ただ少子化により高校の配置が見直され中島高校は廃校予定となっている。
 穴水町の能登鹿島駅はホームが桜並木になっており、毎年開花時期には大勢の花見客が訪れる。

福井鉄道福武線

ベル前駅を発車した770形普通武生新行き

公園口駅を通過した200形急行武生新行き

武生新駅2番線の770形と1番線の880形

 JR北陸本線と平行しているが駅の数が多くこまめに停車することで乗客を獲得している。土、日、祝日もショッピン
グセンターベルへの買い物客の需要もある。ただ、市役所前−田原町間は時間がかかり利用が少ない。グループ会社の名
鉄の路面電車タイプを導入しホームを嵩下げしてLRT化された。
 2007年にグループ会社の名鉄が福井鉄道から撤退を表明し、福井鉄道は福武線沿線自治体に第3セクター化を提案
した。
全国で初めて鉄道事業再構築実施計画を国土交通省から認定された。福井鉄道は1種鉄道事業者のまま、10年間
で福井県から21億円、国から10億円の設備投資補助を受け、更に鉄道用地を沿線の福井、鯖江、越前の3市に売却し
3市から無償で借りることにより固定資産税の負担を無くす。
 
元々福井−武生間390円で運賃は安かったが、休日フリー乗車券により500円で往復できるようになり、休日の乗
客は増加している。2007年10月の幸橋完成によるダイヤ改正で日中9時〜15時まではすべて福井駅前行きとなり
田原町へ行くには市役所前で、福井鉄道では福井市内電車呼ぶシャトル便に乗り換えることになった。通勤通学時間帯に
は福井駅前−武生新間に急行が運転されている。急行には輸送量の大きい鉄道線用車両が主に使用される。

えちぜん鉄道勝山永平寺線

追分口駅へ到着する6106+6112福井行き

轟駅を発車した5001勝山行き

比島駅付近からの福井県立恐竜博物館

 京福電鉄越前本線は第3セクターえちぜん鉄道に引き継がれ勝山永平寺線として存続することになったが状況が厳しい
ことに変わりはない。喘ぎながら走っていた京福時代に比べ線路や車両が格段に良くなり、また沿線自治体の努力もあっ
て乗客は微増を続けている。休日フリー乗車券800円の浸透で休日も2両編成で走る列車が増えている。
 えちぜん鉄道では2003年7月の開業以来アテンダントが乗務している。乗務するのは10時台から16時台に運行
する列車で車内で高齢者や障害者の手助けをしたり、フリー乗車券を含む乗車券の発券や沿線の観光やイベントの案内、
グッズの販売などを行っている。

えちぜん鉄道三国芦原線

水居駅へ到着する5001三国港行き

九頭竜川河口の三国港

木製ホームの新駅 八ツ島駅

 京福電鉄三国芦原線は第3セクターえちぜん鉄道に引き継がれ存続することになったが状況が厳しいことに変わりはな
い。1年に1度三国の花火大会では鉄道の輸送力を見せつける。新田塚までは市街地を走るため潜在需要があり2007
年に新駅の八ツ島駅と日華化学前の2つの駅が新設された。
 三国芦原線はLRT化が計画されており、新駅のホームは低床車両用のコンクリート製ホームの上に木製のデッキが組
まれている。もちろん三国芦原線にもアテンダントが乗務している。

JR西日本越美北線(九頭竜線)

美山駅での福井行きと大野行きの行き違い

福井駅越美北線ホームと到着列車

沿線の一乗谷朝倉氏遺跡

 谷筋を走る越美北線は国道158号線に完全に平行している。観光シーズン以外は乗客のほとんどが福井−越前大野間
の利用であり、国道が整備された現在、大野−九頭竜湖間はバス代替が可能であり将来は非常に厳しい。2010年1月
現在、大野−九頭竜湖間は1日わずか5往復である。高校生の通学輸送のみか。福井−越前大野間も1日わずか9往復で
ある。勝山市までのえちぜん鉄道32往復とは比べものにならない。

JR西日本小浜線

美浜駅に停車中の敦賀行き125系3連

加斗駅へ到着する敦賀行き125系2連

若狭本郷駅舎

 小浜市は福井県ではあるが京都府の舞鶴市と結びつきが深い。小浜市より東側では流れは敦賀へ向かっている。沿線に
は原子力発電所が多く立地し、こんなに電気を作っているのに、何で小浜線を気動車が走っているのかと地元の人は長年
悔しい思いをしてきたが、ようやく電化され新車が投入された。北陸本線の敦賀まで直流化された福井県嶺南地方は福井
より滋賀県、京都府との結びつきが強くなっている。電化に伴いホームは整備され、駅舎も「電源立地地域対策交付金」
で立派なものが新築されている。また、原発による交付金があるため、元々の無人駅以外は自治体の依託駅員が配置され
ている。